皆さまこんにちは、波乗りたいし(@naminori_taishi)です。
2014年7月から始まった第一期・岩崎夏海クリエイター塾も残すところ二回となりました。
一週間後に衆議院総選挙を控え、時代の変化が確実になろうとしているなか行われた授業でメインテーマとなったのは、「物語を紡ぐ」ということでした。
物語の担い手たるクリエイターに求められるものは、一体どんなものなのでしょうか?
一時間目
- 話すことで得られる気づき
- クリエイター塾の役割
- 浮遊層たるクリエイター
- アベノミクスの行く先は格差の拡大
- 進歩を予測する
二時間目
- パロール(発話)
一時間目
話すことで得られる気づき
ハックル氏はあるとき、議論好きのお父様とのやりとりの中で、議論そのものよりも、話しながら自分自身と対話することが重要であることに気がついたそうです。
この気づきを得るためには、聞き流してくれる人の方が良く、伝えることではなく、話すことで自分の考えが整理されることに意味があるのだと言います。
以前、ハックル氏が体調不良の話をブロマガに書いたところ、考えが整理されて体調不良の原因に思い当たったのだそうです。
実際にその原因が正しいかどうかは別として、それが「説得力のある物語」であるかどうかが重要で、これはこれまでの授業で話された「神話」的な働きをしているとハックル氏は言います。
黒い★が教えてくれるもの(1,100字)
( 注:「★」は伏せ字です。お食事中のかたはご注意ください)
http://ch.nicovideo.jp/huckleberry/blomaga/ar679042
クリエイター塾の役割
そして、クリエイター塾の塾生に求められるのは、物語の担い手・語り手となることであるとし、状況をgainする方策を提供し、なぜそれをやるのかを説得するために、相手も主体となれる物語を紡ぐことが必要だとハックル氏は説きます。
奇しくも政治が変化の局面を迎えようとしています。
政治の物語はーーその善し悪しは別として、なぜ人々の胸を打つのかを考えることで、どのような物語を紡ぐべきなのかが見えてきます。
多くの人が政治的な傾向として、すでに陳腐化しているものにすがりつこうとしていると、ハックル氏は指摘します。
日本という物語は陳腐化している。しかしながら、国体の維持ーー日本を大切にという物語には間違いがない。というところに安住してしまうのだと。
なぜでしょうか。
時代に甘やかされている、故に歴史に学ぶことができないので、日本がーーひいては自分が恵まれすぎていることを理解できないという病気に冒されていると、手厳しい言葉が並びます。
だから、より国体ーー陳腐化した日本という物語にすがるようになるのだと言います。
そのような人々は、「新しいもの」が来ていることを感じながらも乗っかっていけないのだそうです。
「新しいもの」とは、ホリエモンこと堀江貴文氏のような方の存在であったり、「日本という国体が沈む」という考えのことで、「日本人がババを引く」ことはもはや避けられないとハックル氏は言います。
このことはハックル氏がポリタスに寄稿された記事に書かれています。
"日本という国は今よりも不幸せになるはずだ。"
【総選挙2014】今度の選挙でほとんどの人が対応を誤るたった一つの理由(岩崎夏海)|ポリタス 「総選挙」から考える日本の未来
http://politas.jp/articles/311
浮遊層たるクリエイター
こういったことは、声高に叫べば叫ぶほどに理解されないが、それ故に「出し抜く」ことができる「正論吐きの利」があるのだとハックル氏は言います。
このような混迷の時代にあって、クリエイターは富裕層ならぬ「浮遊層」となることが必要で、ある意味では卑怯ととられることもあるが、「利する方につく」という姿勢で、人として生き残るために物語を紡ぐのだと。
それは陳腐化した物語を捨てることでもあり、陳腐化した物語にすがりつく人々を出し抜き、リーダーシップをもって皆がまだ見えていない、新しい物語を紡ぐことが求められると説きます。
アベノミクスの行く先は格差の拡大
なぜ安部氏の物語は支持されるのでしょうか。
それは「日本を富ませる」という一点の論旨に集中しているところにあるとハックル氏は指摘します。
この「日本を富ませる」という政策は、言い換えれば他国を出し抜き、犠牲にするということであり、
競争を勝ち抜く
→富者を讃える
→トリクルダウン
という構図になります。
これは誰が一番喜ぶかというと、貧困層が一番乗っかりたい構図なのだと言います。
なぜなら他国を犠牲にして日本が儲かれば、自分が働かない状況に安住できるからだという、身も蓋もないものなのだそうです。
しかし実際にはこの政策で競争社会が激化し、富裕層は規制緩和などで更に富み、貧困層は競争にさらされ更に沈んでいくという、格差拡大が待っているとハックル氏は言います。
その理路をブロマガで説明されています。
"「競争に向いていない人」というのは、(中略)競争に負けるとすぐに「社会が悪い」と言い出す。「社会が不平等だから自分たちは負けたのだ」と責任転嫁する。そして「規制撤廃」を叫ぶ。「既得権益の打倒」を目指す。そうして、とことん自由な競争社会を志向するようになるのだ。
そうなると、競走に強い人はもちろん、競争に弱い人も「競争社会」を志向するようになる。おかげで、競争社会は雪だるま式に激化する。加速度的に進行するのだ。"
格差時代の箱船(2,702字) http://ch.nicovideo.jp/huckleberry/blomaga/ar685629
※引用は塾の後に発行されたものです
進歩を予測する
大きな物語が通用しない今、市井のシャーマンとして生きるためには、どんな物語を描くのか、誰に貢献するのか、どのようなメリットを感じさせ、非金銭的な豊かさを提供すればいいのかという視点が必要であるとハックル氏は言います。
そこで世の動きと呼応するように進化・発展してきた物語のスタイルを知り、さらにこれからの変化を予測することで、いま求められる物語を探ります。
例えば大航海時代にはロビンソン・クルーソーなどの冒険譚が、20世紀に入ると科学の進歩からSF(サイエンス・フィクションorスペース・ファンタジー)小説が流行しました。いつの時代も未踏の地へと誘う物語が人を惹きつけてきたのです。
これはこれまでも話されてきた、「アーリーアダプター」であるということにも繋がります。
そこで実践として、いま世の中の人が予測しているものーーこうなっていくだろうと予測している変化には、どうのようなものがあるかを予想して発表するということが行われました。
まずはハックル氏が例として幾つかの予測を挙げます。
ハックル氏:男女交際する人がますます減っていくだろう。
ハックル氏:YouTubeがコンテンツの価値を変えるだろう。
ハックル氏:4K映像の価値が上がるだろう。映画の価値は代替されないだろう。
続いて塾生が発表し、それに伴って起こるであろう社会の変化を、ハックル氏が一言コメントします。(コメントなしの場合もあります。)
塾生:人工知能が発達するだろう。
ハックル氏:人間の仕事が減るだろう。
塾生(波乗りたいし):バーチャル(VR・SR)が発達するだろう。
ハックル氏:人間存在の意義を脅かすことになるだろう。
塾生:旅行が盛んになるだろう。
塾生:延命措置を望まない人が増えるだろう。
このような変化を土台に、実際にその変化が訪れたらどのような問題が起きるだろうかという「問いたて」をすることが、物語を紡ぐのに役立つとハックル氏は言います。
二時間目
パロール(発話)
後半は、前半の冒頭で話された「話す」ことの重要性を敷衍します。
「話す」ことによるメリットを最大限に活かすためには、アイディアを発表するスキームを早くする、思いついたらすぐに話すというパロール(発話)が重要となるのだそうです。
ということで、ハックル氏によるパロールの実践として、まだ誰にも話していない「ここだけの話」がありました。
※この話の正式発表は数ヶ月先になるそうです。
パロールを実践する環境を整える、話す相手を作ることも重要で、宮崎駿監督は話す内容に応じて、望ましいリアクションをしてくれるであろう話し相手を選んでいたそうです。
ハックル氏の場合はそれをブログで実践しており、ボールを投げることで社会の感触を確かめていたのだそうです。
まとめ
パロールが重要だ!そのための環境を整えることもクリエイティブな活動の一環としてとらえ、自分の考えを整理することで「説得力のある物語」を生み出すんだ!
「市井のシャーマン」たるクリエイターとして物語を紡ぐには、陳腐化した物語を捨て、世知辛さを受け止めたうえで、フラットな視点で未来を見ることが求められるぞ!
終わりに
冒頭のごあいさつでも書きましたが、2014年7月から始まった第一期・岩崎夏海クリエイター塾も残すところ二回、つまり次回で最終回となりました。
この半年で、クリエイター塾のまとめブログを書くことにしたり、SNSでの活動を始めたり、自身の生活を変えたりと、いろんな変化がありました。
それでもまだ、自分の心の中で何かがゴトゴトと音を立ているのを感じ、もっと継続してハックル氏に学びたいと思い、第二期・岩崎夏海クリエイター塾への参加を決めました。
岩崎夏海先生を始め、関係者や塾生の方々におかれましては、どうぞよろしくお願いいたします。
岩崎夏海クリエイター塾、第2期開講のお知らせ
岩崎夏海クリエイター塾、第2期開講のお知らせ。
http://genjiyamaro.com/archives/684
最後までご覧くださいましてありがとうございます!
またあそぼーね!
岩崎夏海クリエイター塾レポート・リンク集
http://blogger.naminoritaishi.com/p/huckleberry.html
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